消防団の給料とは3つの「報酬」がある
消防団の「お金」について、情報はあまり表に出ないものですが、消防団に給料はあります。
消防団の給料とは「団員報酬」「出動手当」「退職金」の3つのことを指します。
国の機関である総務省消防庁により、3つの報酬について「報酬金額の指導」も行われております。
消防庁が指導する金額を各市町村に地方交付税として分配され、消防団の給料とされています。
それでは、消防団員の給料というべき3つの報酬について、元分団長の体験を含め余すことなく解説します。
1.団員報酬の仕組みと闇について
主な消防団の給料として挙げられるのが団員報酬になります。
消防団員の身分は非常勤の地方公務員となるため、当然ながら報酬が発生します。
団員報酬については、「階級」により金額が変わります。
総務省消防庁の指導する団員報酬額は、団員36,500円、団長82,500円になります。
団長と言われてもピンとこないでしょうが、イメージとしては団員が1000人規模の会社の社員とするならば、団長は会長職のようなもの。
社員と会長の給料の差が46,000円ですね。
格差がない世界です。
もしかして、あなたはバイト代としては安いなぁ…。と思っていませんか?
この金額は月額ではなく1年間の報酬額です。
どうですか?すごいブラックでしょ!
しかも、この団員報酬はあなたの元には残りません。
なぜかというと、消防団員に支払われる団員報酬によって消防団という組織は運営されているからです。
言い換えれば、消防団という会社は会長を含めて社員みんなの給料によって企業活動をしている訳です。
えっ???意味がわからない…。
ブラック企業も可愛く見えてしまいますよね。
各市区町村によっては報酬金額の違いはありますが団員報酬については期待できません。
絶対に間違っていますが、そういう仕組みのまま昭和から令和にまで続いています。
団員報酬については詳細な記事があります。
消防団の報酬もらえない!なんで?元分団長が報酬の闇を解説!
2.出動手当こそは財布を膨らませてくれる?
2つ目の消防団の給料といえる出動手当。
この報酬は、火災や水害などの緊急時の出動や消防団の公式行事に参加した際に支払われる報酬です。
これも消防庁より1日7,000円という金額が指導されています。
緊急時の出動の際に、仕事を早退・欠勤しても、映画館で鑑賞している途中であっても、何も保証されません。
しかも、団員報酬に比べると出動手当は各市区町村で差額が大きいです。
消防庁の指導する金額は7,000円なのに、私が所属していた消防団は2,000円でしたよ。
ちなみに、出動手当も団員報酬と同じように消防団の分団運営費としてあなたの手元には残らない可能性が高いでしょう。
3.消防団の給料「最後の砦」である退職金こそは!
消防団員には退職金制度があります。
消防庁が指導する金額は1年間あたり19,200円ですが、もらうためには条件があります。
各市町村により退職金の算出金額や条件はかなり違いがあります。
ほぼ共通する点は、
消防団活動に従事した者。
5年以上、消防団に在職した者。
この2点はほとんどの消防団で共通するものでしょう。
あとは階級による算出金額の差や、5年毎(5年、10年、15年、といった5年間単位)による算出など違いがありますので、あなたが所属する市区町村のホームページで確認してください。
ちなみに私の場合は、一般団員2年、自動車班員4年、班長1年、部長1年、副分団長1年、分団長2年の合計11年間消防団員を務めました。
年数は少ないものの、複数の役職に就き負担は大きく家族にも負担をかけましたが納得できる消防団生活でした。
ただし、金銭面でみた場合はこれだけの役職や階級が上であっても、15年間一般団員のみの人の方が退職金の金額は多かったですね。
私が32万円ちょっとで、15年間一般団員だった人で35万円くらいでした。
消防団では最初から報酬にはまったく期待していなかったため、退職金の増減はさほど気になりませんでした。
退職金だけは、あなたの手元に残る可能性が高い消防団員にとっての給料と言えるかもしれません。
(退職金まで消防団の運営費になるような話しは県内では聞いたことありません。)
まっ、わたしの通帳に振り込まれた退職金は翌日には嫁のものとなっていましたね…。
家族の協力あっての消防団だからしょーがない。
万が一にも、あなたがお金を増やすための副業として消防団を考えているのなら、100%オススメできませんよ!
しかし、消防団はお金みたいな分かりやすい価値としては期待できませんが、人生において強力な武器を手にすることはできます。
人との繋がり、人と接することでの成長の加速など価値観を変えてしまえば、気付くことや手にするモノが必ずあります。
消防団、うざくて面倒だけど好きですよ!
私の人生の一部です。