消防団とはいったい何なの?損するばかり?
そもそも、消防団って何なのか?
十分に理解して入団した人なんて、ほとんどいませんよ。
消防団に入団された方の多くは、自発的に入団したわけでなく嫌々ながらも入団せざるを得なかったかと思います。
私もそうでしたよ…。
30代で団員数88名のそこそこ大きな分団の分団長を務めた私も最初は消防団を拒絶していました。
だって好きになる理由なんてまったくないから。
消防団に入団して2年間は嫌いながらも、「やることだけはやる」スタンスでした。
私の経験上ですが、消防団の話しになると普段は温厚な方でも熱くなる人って結構いますよね。
いつの間にかスイッチが入ってる先輩とか。
このような先輩は、真剣に消防団について考えている方々でしたね。
たまに「くどいな…、面倒だな…。」と思うこともあったけど、嫌いではなかった。笑
「郷土愛」と「人間賛歌」
この境地なんですよ、消防団は。
そうは言っても、実は私は地元への愛着も、人に対する情も薄いんですよ。
そんな人間が消防団というなんだかよくわからないし、損することばかり多いような印象の悪の組織に無理やり入団。
その過程で、ほっとけない先輩や後輩ができてしまい、気付くと分団長になってしまっていた経験から解説しますね。
消防団に入団した理由は何?を分団長18名に聞いてみた。
あなたはなんで消防団に入団しましたか?
消防団に入団した理由は、だいたいこの中のどれかだと思います。
- 田舎の長男だからしょうがない…。
- 商売・農家をしており、地元密着型のため断れない。
- 知人や先輩の勧誘でしょうがなかった…。
- 知らないうちに勝手に自分の順番になっていた。
- 職場が消防団に理解があるため、入団せざるを得ない。
- いきなり複数人で何度も勧誘に来られ、根負けした…。
私の場合は「お前が入団する順番が来た」でしたよ。
いったい、何の順番なのかわけわからん!
突然、おかしなことをいう人達が押しかけてきたって思いましたよ。
絶対に入らない!と心に決め、徹底抗戦するつもりでしたが、3回目の勧誘で根負けしました・・・弱っ。
こんな感じで、私の消防団生活のスタートは自分から望んだものではありませんでした。
ちなみに、私が所属していた消防団は団員数1,000人を超え、18分団あるため分団長も18名います。
「分団長会」という分団長だけで意見交換をする組織がありますが、ほぼほぼ無理やり消防団に入団させられた人ばかりですよ。
分団長になる人でも、最初はイヤイヤながら消防団に入団しているわけですね。
結局のところ消防団って何なのさ?ちょっとぶっちゃけてみた。
消防団は一律的に、「住民の生命・身体・財産を守る」という理念があります。
最初のうちは、これだけを意識しておきましょう。
意識した上で、災害時においては自分の身の安全を第一に考え、指示に従って冷静に活動するべきです。
テンパったり、勝手な行動を行えば、自分だけでなく周りの人までも危険に巻き込んでしまいます。
ここまでは極々当然の基本的なことですが、最も大事なことです。
では、プロである消防士がいるのに、なぜ消防団が必要なのか?
台風、水害、震災など広域に同時多発的に起こる災害対策は消防士だけでは到底防ぐことはできません。
要するに、国や市町村にとって使い勝手がいい、コストパフォーマンスに優れた便利な存在ということですよ。
分団長のころに、人員の確保や消防団活動の範囲、団員報酬などで、何度、行政と協議という名のバトルをしたか…。
団員報酬について気になる方はこちらをどうぞ。
理念ではなく、「消防団の本質」ってなに?消防団は組織なんです!
消防団のことを、不気味な集団のイメージを持つ人もいるんですよね。
理念や活動についてはさっきのでわかったけど、消防団の本質はなに?ですよね。
分団長を務めた私から言えば、答えは「入団するまでわからない」ですね。
なんだそれは!
怒りの声が聞こえてきた。(笑)
消防団は組織だから、実際にそこそこで全く違うんですよ。
同じ地域の消防団でも、歴史も消防団活動への「熱」も違います。
また、分団長次第で全く違う分団になることも多々あります。
それ以外にも、OBという厄介な人達すごく頼りになり優しくも偉大な先輩たちがいて、消防団活動は楽しいものですよ。白目
所属する分団の環境次第なところが大きいため、最初は自分が出来ることを無理しない程度にやることが大切です。
例えば、規律訓練・消火訓練・啓蒙活動などでしっかりした技術と知識を身に付けようとする姿勢を示すことです。
いいですか?大切なのでもう一度言いますよ。
できるできない以上に、前向きにがんばっている姿を見せることが大切なんですよ。
組織って人間関係なので、好き嫌いって感情はどうしても出てしまうもの。
同じ時間に同じことをしながらも、積極的な人と嫌々ながらやってる人では印象は当然違いますよね。
だから、やりたくなくても頑張ってるアピールが重要です。
ダラダラしても時間は長く感じるし、不満もたまり良いことは何一つない。
あとは、上に立つ人間次第。
消防団って、良くも悪くも上下関係の世界ですからね。
こいつ、人間的にどうなの?って人が上に立った時といったら、もう…。
結局は、あなたの運次第!笑
ウソでしょ?
他人事みたいに運次第でまとめやがった!
そんな声が聞こえてきそうですが、世の中には不条理なことは多いんですっ!笑
知っておくべき!消防団は承認欲求を満たすために存在する!!
消防団って、がんばってるとすぐに評価されるですよ。
損得では損ばかりの消防団の中で、がんばってくれる人の存在はただただ嬉しい。
分団長のころは、頑張ってるなぁと印象を与えられるとすぐに本人と話し、褒める習慣がありました。
私もそうやって消防団に洗脳されて育てられました。
たとえ、消防団という限られた世界であっても褒められると嬉しいですよ。
特に社会人になると、なかなか褒められないですから。
社会では、がんばることは当たり前。
余程の偉業でも達成すれば、褒められたり注目を集めれますが、90%以上のがんばりには気付いてもらえません。
- 人に褒められたい。
- 人に認められたい。
- 人に一目置かれて尊敬されたい。
- 頼られる男になりたい。
これって承認欲求です。
消防団は承認欲求を手に入れることが容易な組織です。
承認欲求とは、「食欲」「睡眠欲」「性欲」の3大欲求に「承認欲求」をプラスして四大欲求と呼ばれるくらいに大きな存在です。
SNSで冷蔵庫に入った画像で炎上し、損害賠償沙汰になってる人も承認欲求を求めた結果です。
消防団は、真面目にきっちり活動するだけで認めてもらえ、頼りにされます。
承認欲求が少し満たされて、消防団活動にがんばることに抵抗感がなくなってきます。
がんばることで階級が上がり、尊敬してくれる奇特な友達や後輩を作ることができます。
さらに承認欲求が満たされ、努力することにどん欲になれます。
その中で、あなた自身の成長と人間関係の幅ができ、人生そのものを変えることもあなた次第で可能です。
このことが消防団に入団する一番のメリットだと思いますよ。
面倒だったり、うざかったりイヤな思いもするでしょう。
目に見えたり手につかめる得は、ほとんどなく損ばかりに感じることでしょう。
消防団のせいで結婚できない…、そう後悔している人もいるでしょう。
いままで接したことがない人達との出会いで、生き方を変える決断をすることもあるかもしれません。
いまは、あなたの目には見えないだけで、人生を豊かにするための内面的な成長が確実にあります。
そのことに感謝するときが来ますよ。
そう遠くない将来に。
そして、あなたの人生を彩ってくれる、「生涯の親友」が出来てしまうこともあるかもしれません。
私にはできました。
消防団の愚痴で一晩中お酒飲める親友たちが。笑
このことが「消防団のメリット」であり「消防団の存在意義」なのです。